「電力モンスターシステム」の復元力

東京ブラックアウト 若杉 冽 拝読。

  • 原発再稼働のためには、まぁ言葉遊びのように次から次へと屁理屈・嘘・詭弁はいくらでも出て来るという感じです。根拠条文はそれなりに有るし、その解釈や言葉の組み合わせは「霞が関文学」。その文学と人事システムやポストの置き方は恐ろしさを覚えます。いくらでもオセロゲームのようにひっくり返せる。
  • この著書は著者の悲鳴なのかなぁ。
  • 原発は権力者の取り分が多いため止められないようです。
  • 官僚は出世が唯一の仕事のモチベーションらしい。原発再稼働が出世の道ならその道を歩む。出世といっても責任も問われず仕事が楽でいい給料のポストに就く事。縦割り行政の原因でも有るような。
  • この著書の中にある言葉:「所詮、電力会社や国にとって、住民の安全というのは、原発再稼働のためのお題目に過ぎない。」
  • この著書を表すと思う言葉をこの著書から引用しておきます。「家が朽ち果ててもシロアリは生き残る。日本が放射能汚染にまみれても、電力マネーに群がる政治家や官僚は生き残る……。」
  • [疑問その1]原発は外部からの電力供給が止まった時点で停止し冷却が非常用電源に切り替わるらしいが、本当か。原発は自立していない、発電所に電力が無いなんて、、、?
  • [疑問その2]原発利権を作り上げているわけだが、利権のためにあんなものを選ばなくても良さそうだが、国際的に管理されている核燃料が故の独占性が特別な利権として砦を築きやすいという事なのだろうか。原発アメリカ軍の核燃料置場というご指摘もあるが、この著書からはなぜ原発なのかは分からない。
  • 天皇制との関係も興味深かった。
  • この著書の最後に、もう霞が関や永田町ではどうにもならないという意図なのか、もし請願なら園遊会で渡さなくとも憲法16条・請願法により提出すれば良いという意図なのか、何なのか分からないが、天皇に対する請願書の送付先が記されているので、ここにも一応引用しておきます。ただ、この著書では陛下の意思も無とされてしまっています。

今上陛下への請願の送付先
〒100-8968
東京都千代田区永田町1-6-1
内閣官房内閣総務官室