「いい音」って何だろう

ここでは記録された音の再生装置ついて考えてみます。
結論から書くと昔の蓄音器のように直接振動を記録し、その記録盤を直接再生した音が「いい音」ではないか。
いい声は声帯の振動。いい楽器の音は弦とボディの振動。その振動が空気を伝わり耳の鼓膜を震わせ感知する。
生演奏を残響時間など理想的な空間で聴く事が100%「いい音」。
記録・再生のための機器が介在する分劣化するわけだが、昔の蓄音器の場合はノイズは多いが振動を直接記録・再生しているため劣化は無いという意味で100%「いい音」。電気信号へ変換したりデジタル処理で切り捨てる事も無い蓄音器。聴く人の方でノイズはキャンセルし必要な音を感じる事で生の音を再生する。人も再生装置の一部。職人技で蓄音器の精度を上げる事も考えられるが、もし通貨に換算すれば富豪の道楽品か。
10年以上前に確か980円で購入したイヤーレシーバーMDR-E10LPの配線被覆が剥がれ感電するし断線も心配になっている時に目にした広告「胸を打つ、いい音」
MDR-1
このMDR-1を試聴してみたが「いい音」とは思えなかった。いつも聴いているMDR-E10LPの方が「いい音」に思える。価額差は二桁も違うし、開発者は「いい音」だと思っているはず。という事は主観の問題か。MDR-E10LPバーチャル試聴機を聴いてみるとハッキリ違いは分かる。音楽プレイヤーの違いも分かる。Bug head Emperorは「いい音」に思える。という事は千円程のイヤーレシーバーでも再生能力はそれなりに有るという事だろう。
試しに1,200円のMJ-HP1を購入してみたが、直ぐに引出の肥やしに成った。高音だけが前面でシャリシャリ鳴り、中音域がどこかへ飛んじゃっていて薄く、低音は遠くで微かに鳴って分離していて一つの音楽には思えない。エンクロージャーが貧弱なのかドライバーが貧弱なのか両方か。このMJ-HP1の購入からヘッドフォン選びが怖く成った。こんなに違うものかと。
ヘッドフォンでは無くスピーカーの例だが7,000万円のオーディオシステムよりプレイヤーを選ばない30万円程のスピーカーの方が「いい音」からするとコストだけの問題では無いようだ。
お店に出掛けて実機を試聴して決めるのが確実だろうが、そうはいかない場合は…
素人ながら気に成ったElectrArtさんのUSBDAC基板。ファイルがDSDでは無く、ハードでアップサンプリングしてリアルタイムに再生する。ファイル変換して保存する必要は無い。DSDは聴いた事は無いが、きっと「いい音」なのだろう。