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原発ホワイトアウト 若杉 冽 拝読。

  1. 著者は現在霞が関の省庁に勤務。明らかに分かる仮名。本名も有り。現実に起きた事、充分に可能性のある事、ここは著者の本音かなと思われるところ、霞が関の生態、官僚の考えている事。なぜ政治家が同じ言葉ばかり吐くのかなどこの著書で分かります。
  2. 答案用紙に「原発再稼働」と書けば花丸百点満点。それ以外は零点。その「原発再稼働」という答えを誰が決めたのかはこの著書には書かれていない。その答えを書けば出世ができる。「原発再稼働」を「戦争」に置き換えても、そのまま進められそうだ。
  3. 電力会社による各方面への工作はとてもマメで熱心で幅広くその人脈・組織力は強大。その具体的な手法などが書かれています。その工作資金は殆どの世帯が納めている電気料金。その名簿は選挙に使える情報も加えられ…。
  4. 電力会社による工作の熱心さが原発の現場へ注がれていたならば事故は起きなかったかも知れません。
  5. やはり3.11直後の計画停電は電力が無いと困るでしょ?だから「原発再稼働」だよという洗脳計画の一つだったようだ。その後節電が行き届き原発が無くても間に合うようになったら、今度は値上げは困るでしょ?という洗脳。それでもダメなら「島国だから」とでも言っておけば良い。テレビのコメンテーターが言う事が明日には世論になっている。
  6. 著者はその霞が関で働かれているわけだが、その居心地はどうなのだろう。告発本を出版したからという意味では無く、その生態の中で過ごす事はどうなのだろう。そのモティベーションは何だろう。
  7. 送電塔の無防備さも警告されています。

 この著書に直接関係は無いが、自由になるためには電力会社から電力を買わない生活を送る必要がある。エネルギーの民主化といっても油田地帯は紛争のメッカのようだしなぁ。日本近海にはエネルギーや資源が大量に埋まっているのだそうで、日本もその資源を巡り紛争地帯になるのだろうか。