介護のハーモニー

 お通じの処理の間中母はモンゴルのホーミーのような声を出し続ける。その声は脳みそを揺らす程に大きく止むことは無い。処理が終わっても数十分続く。そして時折頭蓋骨が割れそうな声も出す。そこにラジオの電池が切れ掛かるとラジオから妙な音が出始める。プニュ~~。電池を交換している場合では無い。母から抵抗される中水洗いなど綺麗に仕上げなければ成らない。一人での作業は一時間程必要だが母の大きな声で冷静さを保つ事が難しい。そんな中ラジオから「プニュ~~」「脳みそが揺れ続ける声」「頭蓋骨が割れそうな声」で自分も母に合わせ奇声を出したくなる。これが介護のハーモニー。